44 スウェーデンの家を支える素材達 玄関ドア-1

writer:ダーラナの森

Lady053 日本に輸入されているスウェーデンの大半の玄関ドアは、仕上げがチークやパインです。ところがスウェーデンの一般的な家ではあまり使われていません。古来(海外でも日本でも)外部の木製の仕上げを利用する場合、必ず塗装をします。

アメリカでさえ、リーガルサスペンスの巨匠ジョングリシャムの著書の「ペインテッドハウス」に、主人公のルークが自分の家は貧乏だから家にペンキが塗られていない、大きくなったら家にペンキを塗れるくらい稼げるような大人になると誓う日々をベースの物語が書かれています。

ララミー牧場のスミスは休日になるとはしごに乗って家や納屋のペンキ塗りをいつもしていました。(古い!!)
<閑話休題>
わざと荒く仕上げた木部にたっぷり塗膜をつくり、重厚な色合いと共に豊かな質感、そして最も重要な、厳しい日射や風雨に耐える外部仕上げとなります。国内でも40年くらい前に木製玄関ドアのブームがありましたが、すぐにすたれました。外部に木を使う王道から外れていたからです。

どうしても塗装仕上げでなく木の仕上げのドアを使いたいという要望が時々ありますが、その時は年に数回必ず手入れをしなさいと条件をつけます。それ以外は、美しい仕上げの塗装のドアをすすめます。今、輸入している玄関ドアはスウェーデンの北方にある小さな会社ですが、初めて訪れたとき、最大の売りは大手の最先端の塗装設備に負けない塗装技術ですとアピールされ、まさにその通りだったのでその会社から買うことにしました。

写真は私が輸入しているオリジナルドアです。
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43 スウェーデンの家を支える素材達 窓-3

writer:ダーラナの森

スウェーデンの窓の代表 ***突き出し回転窓***

window02 典型的なスウェーデンの窓は、窓の下部にあるハンドルを回し、つきだすと上部が窓枠に沿って下にスライドしてくる方式です。概ね中間地点でガラスは水平になり、もっと回していくと180℃近く回転します。トップメーカーのエリートフェンスター社が開発した窓で、水平軸回転窓(H-Window)と呼ばれ、長きにわたってスウェーデンの代表的窓として愛されているモデルです。その理由は下記にあげられます。

気密が高く安定して維持しやすい高い性能
遮音性が高い
実質的断熱力を高めやすい
防犯性を高めやすい
1枚窓でもガラスの反対側の掃除が容易
様々な換気ポジション

なお、窓の仕上げは、玄関ドア以上に塗装仕上げがポピュラーです。日本向け以外では90%以上が白塗装、数%が他の色の塗装、数%が含浸性のある着色仕上げ(ステイン)などすべてが工場で仕上げた製品が出荷されています。日本に輸出される窓だけが未塗装品です。引き渡し後きわめて短い期間で見るも無残な状態になったり、維持管理が大変だったりしています。

42 スウェーデンの家を支える素材達 窓-2

writer:ダーラナの森

スウェーデンの家と言えば超高性能なガラスを三層にした上に、省エネコーティング、不活性ガスの充填など、盛りだくさんの特徴があります。また、木製の枠材やガラスを納める障子枠が厚くがっしりしている点も世界に類を見ません。1976年の法改正以後は現在の窓の原型となる木製三層ガラス窓がほぼ標準となり世界が驚かされました。1990年ころからは、ローイーコーティングにアルゴンガス充填の省エネ三層ガラスが標準化されました。
Extreme
そして最近のスウェーデンの新築マーケットでは、標準的な熱貫流率で0.8~0.9程度のものが普通です。単純に熱的性能を論じるのではなく、日射をどのように取り入れるか否か、取り入れた日射が外乱とならず、十二分に有効利用でき、室内の環境を最良に保てるかという議論が沸騰しています。つまり窓の性能だけでなく家として、最良の快適性を保ちながらエコな家の在り方を追及しているわけです。

一時は、無断坊住宅とか、パッシヴハウスとかやみくもに評価する声もありましたが、性能を上げれば上げるほど、夏場の冷房の必要性が高まり、研究者レベルでは冷房無しでと、相変わらず必死に、いろいろ研究していますが、実際にはそうはうまくいきません。

コントロールできない日射を入れて室内環境を壊すくらいなら、潔く日射遮蔽率の高いガラスを入れた窓やオーニングなどで、高性能化を図る動きが、一般マーケットでは多いような気がします。

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ジャンル : ライフ

41 スウェーデンの家を支える素材達 窓-1

writer:ダーラナの森

最近はスウェーデンの窓が高性能なことも、その知名度もずいぶん上がってきました。しかし、これらの製品にしても前述の断熱材はどれがベストかの議論同様、ハウスメーカーや工務店があまりにも自社採用品の良さをアピールするために、このような部材も本末転倒となる非難中傷合戦に巻き込まれているきらいがあります。
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まず、いたずらに性能がよければよいといったわけではありません。ドアや窓に求められる基本的な性能や特徴を満足させる必要があります。例えば、
デザインとセンス
スムースに多年にわたって開閉できる
防犯・遮音・断熱・気密が高い
施工性が高い
メンテナンス製が高い…etc.
等が重要となります。

また、スウェーデンから日本に輸入される多くのドアや窓のデザインや仕上げがスウェーデン国内で販売されているものと比較すると仕様や性能がかなり異なっていることが多いのですが、ちまたではあまり知られていません。

日本のマーケットでは、木質系のドアや木製の窓ということで木目が判るような仕上げが多く好まれています。しかしスウェーデンではこのような仕上げはあまりしません。特に外部に木を利用する場合、紫外線による影響や劣化を防ぐために木部は充分な塗装皮膜を構成する必要があります。荒い仕上げに充分塗料を乗せた塗装仕上げが中心となります。

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40 スウェーデンの家を支える素材達 断熱材 その弐

writer:ダーラナの森

前回は脱線し続け、元に戻れませんでしたので、今回は最初から本題に突入。

スウェーデンの戸建て住宅は、日本の枠組み壁工法に近い構造に、ミネラルウール系の板状の断熱材を工場で充てんするのが一般的です。日本でも同種の断熱材にグラスウールとかロックウールとかあります。スウェーデンのミネラルウールも同じようなものですが、国が違うと成分も性能も異なり、ましてや、工場で機械加工して十分に乾燥材させた構造材を利用するスウェーデンと、日本の現場での工事と、とても比較する気になれません。

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写真は、断熱材を工場で入れている風景です。この後、室内側には、気密シート、パーチクルボード(日本仕様はその上に石膏ボードを現場で張る)、外側には構造用合板、防風透湿シート(外壁材によっては無いこともある)、胴縁、外壁材とすべてコンベアーの上で、高い精度の元に組み上げられます。

そんな高い精度の外壁ユニットを利用しても、技術をよく理解し、現場をよく知っている人が、技術のある職人を使って組み上げて初めて、品質や性能が高められます。

断熱材がいっぱい入っているとか、高性能な建材を採用したとかだけで、良い家にはなりません。全域にわたって家づくりは手が抜けないのです。そこが肝心要(かんじんかなめ)です。

採用している建材やその性能にこだわりがあるふりをしているだけの工務店に仕事を頼んではいけません。その結果は自分にあとで降りかかってきます。

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プロフィール

誠設計森の家

Author:誠設計森の家
【ライター紹介】

◆ダーラナの森より
永年スウェーデンの輸入に携わってきた、スウェーデン通。スウェーデンのやわらかい話しからカタイ話までおまかせ。

◆小布施 森の家夫人
小布施町の森の家ギャラリーで、おいしいコーヒーを入れて迎えてくれるオーナー夫人。たいへんなお料理上手!お立ち寄りの際にはぜひ、「野沢菜」を!

◆飯綱の家のてんぐ
スウェーデンの家に魅せられ、高原に赤い家を建てられたご主人。日常から離れ、山で静かに過ごす時間を紹介してくれる。

◆管理人 わた&くろ
誠設計の広報2人娘。
わたは、スウェーデンに感動のひとり旅して以来、ものすごく縁を感じておりマス。くろは、わたの話を聞き、まだ見ぬインテリア王国に憧れを抱いております。

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